このページの要点
- 買主は、契約の内容に適合しない物を引き渡されたとき、追完・代金の減額・損害賠償・解除を求められる(民法562条〜564条)。
- 不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しないと、これらの権利を失う(民法566条)。売主が引渡しの時に知り、または重大な過失で知らなかったときは除く。
- 責任を負わない特約はできるが、知りながら告げなかった事実などは免れない(民法572条)。
- 売主の最も確かな備えは、動作確認の範囲、把握している不具合、写真を書面に残すこと。
結論:中古でも「文句は言えない」わけではない。何が契約の内容だったかで決まる
「中古品だから、壊れていても仕方ない」「個人間の取引だから、売主は責任を負わない」。こうした考えは広く見られますが、法律はそう単純ではありません。民法は、引き渡された物が種類・品質・数量について「契約の内容に適合しない」ときの売主の責任を定めており、中古品も例外ではありません。ただし、中古品の場合、何が「契約の内容」なのかが新品とは違ってきます。このページの結論は次の五つです。
- 買主は、引き渡された物が契約の内容に適合しないとき、売主に対し、修理・代替品の引渡しによる履行の追完、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められる(民法562条〜564条)。
- 中古品で「契約の内容」を決めるのは、代金、売主の説明、写真、状態の記録、取引の経過である。経年相応の傷や劣化は契約の内容に含まれていると見られやすいが、説明と違う不具合は適合しないとされうる。
- 買主は、不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しないと、これらの権利を失う(民法566条)。ただし、売主が引渡しの時に不適合を知り、または重大な過失で知らなかったときは、この期間の制限は働かない。
- 責任を負わない旨の特約はできる。しかし、売主が知りながら告げなかった事実などについては、特約をしても責任を免れない(民法572条)。
- 売主にとって最も確かな備えは、動作確認の内容と、把握している不具合を、写真とともに書面に残すこと。買主にとっては、受け取った直後に確認し、不具合があれば早く通知すること。
売買の成立と書面の全体像は個人間売買の契約書の全体像、品物の特定や状態の記録の方法は目的物と代金の書き方に整理しています。このページは、その後の「不具合が見つかったとき」を、条文の仕組みに沿って整理するものです。表示された「ノークレーム・ノーリターン」の効力は、別のページで扱います。
契約不適合とは何か:中古品で「契約の内容」はどう決まるか
民法562条1項は、引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができると定めています。以前の民法では「瑕疵」という言葉が使われていましたが、現在の民法は、契約の内容に合っているかどうかを基準にしています。
この基準は、新品よりも中古品で重要です。新品なら、通常の品質を備えていることが当然に契約の内容と考えやすいのに対し、中古品は、使用に伴う傷や劣化があるのが前提だからです。「契約の内容」は、次のような事情から総合的に決まると考えられます。
- 代金の額。相場よりかなり安い値段で、「ジャンク品」「部品取り」と明示されていれば、動かなくても契約の内容に反しないと見られやすい。
- 売主が出品や取引の際に行った説明。「動作確認済み」「問題なく使えます」と書けば、その状態が契約の内容になる。
- 写真や状態の記録。写真に写っている傷は、契約の内容として織り込まれていると見られやすい。
- 品物の性質と、一般に期待される使い方。時計なら時刻が合うこと、楽器なら音が出ること、家電なら電源が入ることなどは、特に断りがなければ前提とされやすい。
- やり取りの経過。買主が「用途」を伝えていたか、売主が不具合の可能性を知らせていたか。
たとえば、「中古のカメラ、動作確認済み、傷は写真のとおり」と説明して売った場合、シャッターが切れないのは、説明と食い違うので契約の内容に適合しないと見られます。一方、「経年による小さな擦り傷が多数あります」と書いて売った場合に、写真と同程度の擦り傷があっても、それだけでは適合しないとは言いにくいでしょう。説明は、売主を縛る面と、売主を守る面の両方があります。
書き方の例(一般的な例) 中古品の説明の書き方
動作に関する説明
理由「動作確認済み」だけでは、どこまで確認したかが分からない。確認の範囲を書けば、売主が約束した範囲も明確になる。
不具合に関する説明
理由「ジャンク」は人により意味が違う。不具合の具体的な内容を書けば、書いた内容は契約の内容として織り込まれる。
経年劣化
理由劣化の中身を具体的に書くことで、買主が許容した範囲と、そうでない範囲を区別できる。
契約の内容に適合しているかどうかは、引渡しの時点で判断されると説明されることが一般的です。引渡しの後に、当事者双方の責めに帰することができない事由で滅失・損傷したときは、民法567条1項により、買主は、その滅失・損傷を理由とする追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び解除ができません。引渡しの前後の区別は、引渡し・配送・受取りの契約書のページで整理します。
買主の四つの権利:追完、代金の減額、損害賠償、解除
契約の内容に適合しない物を引き渡されたとき、買主は次の四つの権利を使えます。どれを使うか、どの順番で使うかには、一定の決まりがあります。
買主の四つの権利
| 権利 | 内容 | 条文 | 主な条件・注意 |
|---|---|---|---|
| 履行の追完 | 修理、代替品の引渡し、不足分の引渡しを求める。 | 民法562条1項 | 売主は、買主に不相当な負担を課さないときは、買主が求めた方法と異なる方法で追完できる。不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは請求できない(同条2項)。 |
| 代金の減額 | 不適合の程度に応じて代金を減らすよう求める。 | 民法563条 | 原則として、相当の期間を定めて追完を催告し、その期間内に追完がないことが必要。追完が不能な場合などは、催告なしで請求できる(同条2項)。買主の責めに帰すべき事由によるときは請求できない(同条3項)。 |
| 損害賠償 | 不適合によって生じた損害の賠償を求める。 | 民法564条、415条 | 売主の責めに帰することができない事由によるときは請求できない(415条1項ただし書)。追完や減額を求めたうえでも請求できる(564条)。 |
| 解除 | 契約を解除して、代金の返還を受ける。 | 民法564条、541条、542条 | 原則として催告が必要(541条)。履行の追完が不能であるなど、一定の場合は催告なしで解除できる(542条)。不適合が軽微なときは解除できない(541条ただし書)。買主の責めに帰すべき事由による不履行では解除できない(543条)。 |
表のとおり、買主は、いきなり代金の減額や解除を求められるわけではありません。まず売主に直してもらう、または代わりの物を渡してもらうことを求め、それが叶わなかったときに、減額や解除に進むのが基本の順番です。ただし、中古品は、同じ物が他にない一点物であることが多く、代替品の引渡しは現実的でない場合があります。修理が不能な不具合なら、追完が不能な場合として、催告なしで減額や解除に進める可能性があります。
不具合が見つかったときの基本の流れ
- 状態の確認不具合の内容を確認し、写真や動画で記録する。売主の説明や状態の記録と照らす。
- 売主への通知不適合を知った時から1年以内に、その旨を売主へ通知する。
- 追完の請求修理または代替品の引渡しを求め、相当の期間を定めて催告する。
- 減額・解除・賠償追完がされない、または不能なときは、代金の減額、解除、損害賠償を求める。
追完が不能であることが明らかなときは、催告を省いて減額や解除に進める場合がある(民法542条、563条2項)。
損害賠償の範囲も、書面で整理しておくと争いを小さくできます。たとえば、中古のパソコンが不具合のために使えなかったとき、修理費用は損害にあたりうる一方、買主が見込んでいた転売の利益のような特別の事情による損害は、売主がそれを予見できたかどうかが問題になります。契約書では、損害賠償の上限を代金の額までとする書き方もありますが、売主が知りながら告げなかった事実については上限が及ばないおそれがあります。
1年以内の通知:民法566条の仕組み
民法566条は、売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができないと定めています。
この規定の要点は、次のとおりです。
- 数えはじめは、引渡しの時ではなく、買主がその不適合を知った時である。引渡しから時間がたっていても、買主が気づいたのが最近なら、知った時から1年が基準になる。
- 必要なのは、売主への「通知」である。裁判を起こす必要はなく、通知でよい。通知の方法の定めはなく、書面でもメッセージでも、売主に不適合を伝えたことが後から示せれば足りる。
- 通知の内容は、どのような不適合があるのかが売主に分かる程度でよい。不適合の範囲や程度を詳しく特定することまでは、通常は求められないと説明されることが多い。
- 例外として、売主が引渡しの時にその不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは、この1年の制限は適用されない(同条ただし書)。
- 1年以内に通知をしても、その後は別に、債権の消滅時効の規定が働く。債権者が権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することができる時から10年である(民法166条1項)。
数えはじめが「知った時」であることから、買主は、受け取った後できるだけ早く状態を確認し、気づいた時期を記録に残しておくと、後の争いが小さくなります。売主の側からは、通知を受けた日付と内容を記録に残し、1年を過ぎた通知かどうかを確認できるようにしておきます。
契約書で、通知の期間を短く(たとえば「引渡しから○日以内」)定める書き方もあります。この場合、買主が個人で売主が事業者のときは、消費者契約法により、買主に一方的に不利な条項が無効になることがあります(同法10条)。個人間では、期間を定める特約自体は可能と説明されることが多いものの、あまり短くすると、後で有効性を争われる余地が残ります。売主が不適合を知っていた場合の扱いも、期間を短くした特約では整理しきれません。
条項の例不具合の通知の条項の書き方
- 乙は、本件物品の引渡しを受けた後、遅滞なくその状態を確認する。
- 乙は、本件物品が本契約の内容に適合しないことを知ったときは、知った日から1年以内に、その旨を甲に通知する。通知は、書面又は電子メールその他の甲が了承した方法による。
- 前項の通知には、不具合の内容と、写真その他の裏づけとなる資料を添えるものとする。
第2項の期間は民法566条の期間に合わせた例。短縮する場合は、有効性の検討が別に必要になる。
責任を負わない旨の特約と、民法572条の限界
民法は、売主の責任を軽くする特約を、当事者が自由に定められることを前提にしています。「現状のまま渡し、不具合があっても売主は責任を負わない」といった特約です。個人どうしの売買で、売主が個人のときは、こうした特約をすること自体は可能です。
ただし、民法572条が限界を定めています。売主は、民法562条1項本文又は565条に規定する場合における担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができません。
責任の免除に関係する条文
民法572条
責任を負わない旨の特約
特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実、自分が第三者のために設定した権利や第三者に譲り渡した権利については、責任を免れない。
民法566条ただし書
通知期間の例外
売主が引渡しの時に不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかったときは、1年以内の通知の制限が適用されない。
民法562条2項・563条3項
買主に原因があるとき
不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、追完や代金の減額を請求できない。
572条は「知りながら」、566条ただし書は「知り、又は重大な過失によって知らなかった」と、書きぶりが異なる点に注意。
572条の「知りながら告げなかった事実」とは、たとえば、売主が購入時から知っていた修理歴、内部の故障、水没の経歴、事故の履歴などです。売主が知っていて、買主に伝えなかった事実は、「責任を負わない」と書いていても、責任を免れることができません。反対に、売主が知らなかった事実や、告げた事実については、特約の効力が及びます。
この線引きのため、売主にとって、知っていることは全部書いておくのが、最も安全な備えになります。買主にとっては、売主が「知らなかった」と主張しても、知っていたかどうかは、やり取りの記録、取引の経緯、品物の状態などから判断されることになり、売主が把握していたと言える材料を集めておくことが重要になります。
書き方の例(一般的な例) 責任を負わない特約の書き方
特約の範囲
理由「一切」と書いても、知りながら告げなかった事実の責任は免れない。範囲を告知したことに結びつけて書くほうが、当事者の理解にも合う。
責任の中身
理由何についての責任を負わないのかを具体的に書く。ただし書で572条を踏まえた形にすると、特約の有効性を巡る争いが小さくなる。
なお、売主が事業者で、買主が消費者である場合は、事情が違います。事業者の損害賠償の責任を全部免除する条項などは、消費者契約法8条により無効とされます。また、同法10条は、民法などの任意規定に比べて消費者の権利を制限し、義務を加重する条項で、民法1条2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効としています。この点は「ノークレーム・ノーリターン」の効力のページで詳しく整理します。
売主の自衛:動作確認と告知を書面に残す
責任を負わない特約が万能ではない以上、売主の最大の備えは、自分が知っていることを買主に伝え、伝えたことを記録に残すことです。これは、特約を有効に保つ条件にもなります。次のチェックリストは、中古品を売る前に確認しておく事項をまとめたものです。
中古品を売る前に確認しておく事項
- 自分が知っている不具合、修理歴、事故歴、水濡れや落下の経験を、思い出せる限り書き出したか。
- 動作を、いつ、どのように確認したかを、日付つきで記録したか。
- 写真を、傷や汚れがある部分も含めて撮り、取引の記録とともに残したか。
- 「保証しない」範囲と、「保証する」範囲を、分けて書いたか。
- 買主から問い合わせがあったとき、知っている不具合を隠さず答える方針を決めているか。
- 品物を引き渡す直前に、状態が変わっていないかを再確認したか。
買主の側にも、守るべきことがあります。受け取った後に、できるだけ早く状態を確認すること、気づいた不具合を記録に残すこと、売主への通知を先延ばしにしないこと、です。特に、使い続けているうちに不具合が拡大した場合、買主の使い方が原因だと言われる余地が生まれます。不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであれば、追完や代金の減額は請求できません(民法562条2項、563条3項)。
中古品を売り買いする前に確かめる問い
問いその品物について、売主が知っている不具合は何か。
理由知りながら告げなかった事実は、責任を負わない特約があっても免れない(民法572条)。買主にとっても、告げられた内容が契約の内容になる。
問い「動作確認済み」とは、どの機能を、いつ確認したことか。
理由確認の範囲が書かれていないと、買主は全機能を確認したと受け取る。確認していないことも分けて書く。
問い不具合を見つけたら、いつまでに、どの方法で伝えるか。
理由知った時から1年以内の通知が必要(民法566条)。日付の残る方法で伝えると、後から示せる。
問い責任を負わない範囲は、どの責任を指すのか。
理由追完、代金の減額、損害賠償、解除のどれを排除するのかを書かないと、特約の範囲が争いになる。
売主は「何を伝えたか」、買主は「何を伝えられたか」を、書面かメッセージに残す。
起きがちなこと
中古品の取引で起きがちな場面と、防ぐ書き方
受け取って数か月後に不具合を言われる
起きがちなこと買主が使っていて故障に気づき、売主に連絡した。売主は、使用に伴う故障だと反論した。
防ぐ書き方動作確認の範囲と日付を書き、通知は知った日から1年以内と書く。写真と記録で引渡し時の状態を示す。
売主が知っていた不具合を言わなかった
起きがちなこと売主は以前の修理歴を伝えなかった。「現状渡し」と書いたため、責任はないと考えていた。
防ぐ書き方知っていることは書く。知りながら告げなかった事実は、特約があっても責任を免れない(民法572条)。
「ジャンク」と書いたのに、返金を求められる
起きがちなこと買主は、部品の取り外しに使うつもりだったが、売主は修理して使える状態だと思い込んでいた。
防ぐ書き方不具合の内容を具体的に書き、用途を想定している場合は、それも書く。
説明と違う型番が届く
起きがちなこと売主が似た型番の別の品物を送ってしまった。
防ぐ書き方型番・製造番号で目的物を特定し、引渡し時に確認する。違う物は、種類の不適合として追完の対象になる。
使っているうちに不具合が拡大した
起きがちなこと買主が不具合を知りながら使い続け、損傷が広がった。売主の責任の範囲が争われた。
防ぐ書き方買主は、不具合に気づいたら使用を止めて通知する。売主は、通知を受けた日付と内容を記録する。
場面は一般的な例であり、特定の取引を指すものではない。
中古品の売買で起きがちなこと
- 「動作確認済み」と書いたが、確認した範囲を書かず、買主は全ての機能を確認したと受け取った。
- 「ノークレーム」と書けば全部免責だと思い込み、知っていた不具合を告げずに売った。
- 買主が、不具合に気づいてから1年以上たって初めて売主に連絡した。
- 不具合の連絡が口頭だけで、通知した日と内容が残っていなかった。
- 買主が自分で修理を試みて悪化させ、元の不具合との区別がつかなくなった。
中古品の不具合の争いでは、「引渡しの時点でどんな状態だったか」が核心になります。売主も買主も、引渡しの前後に状態を記録しておくことが、結局は最も有効な備えです。高額品の真贋が問題になる場面は高額品の個人売買のページで、トラブルになってからの確認の順序は売買でトラブルになったときのページで扱います。
よくあるご質問
中古品を売った場合も、買主は修理や返金を求められますか?
求められる場合があります。民法は、引き渡された物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しないときに、買主が履行の追完、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められると定めています(民法562条〜564条)。中古品でも同様ですが、何が契約の内容かは、代金、説明、写真、状態の記録、取引の経過で決まるため、経年相応の傷や劣化は契約の内容に含まれていると見られやすい傾向があります。
不具合は、いつまでに売主に伝えればよいですか?
買主がその不適合を知った時から1年以内に、売主へ通知する必要があります(民法566条)。引渡しの時から数えるのではなく、知った時から数えます。ただし、売主が引渡しの時に不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは、この期間の制限は働きません。通知の方法に決まりはありませんが、後から示せるよう、書面かメッセージで日付と内容を残します。
「責任を負わない」と書いておけば、売主は何があっても免責ですか?
免責されません。売主は、責任を負わない旨の特約をしても、知りながら告げなかった事実と、自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、責任を免れません(民法572条)。また、売主が事業者で買主が消費者のときは、消費者契約法8条や10条により、免責の条項が無効になることがあります。
買主が不具合を知りながら買った場合、売主の責任はどうなりますか?
買主が不具合を知ったうえで、それを前提に買ったのであれば、その不具合は契約の内容に織り込まれていると見られやすく、契約の内容に適合しないとは言いにくくなります。ただし、どこまでを買主が知っていたのか、代金や売主の説明がどうだったのかによって結論は変わります。売主の側からは、告知した内容を書面かメッセージで残しておくことが、最も確かな備えです。
代金の減額や解除は、いきなり求められますか?
原則として、まず履行の追完を催告し、相当の期間内に追完がないことが必要です(代金の減額は民法563条1項、解除は541条)。ただし、追完が不能であるときや、売主が追完を拒絶する意思を明確に表示したときなどは、催告なしで減額や解除に進めます(563条2項、542条)。不適合が軽微なときは、解除できません(541条ただし書)。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、品物の状態、当事者が個人か事業者か、やり取りの経過によって結論が変わることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。確認できなかった点は、条文と所管官庁の資料で確認が必要としています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 警察庁 / 国民生活センター