売買の目的物と代金の書き方:型番・付属品・状態の特定と、支払の順番

何を売ったのか、いくらで売ったのか、どちらが先に動くのか。この三つが曖昧なまま始まった売買は、品物の取り違え、総額の食い違い、入金と発送の行き違いで揉めやすくなります。

トップページ › 売買の目的物と代金の書き方:型番・付属品・状態の特定と、支払の順番
「中古のカメラ」「代金は振込で」だけの約束は、あとで二通りに読めてしまいます。

このページの要点

  • 目的物は、品名・型番・製造番号・付属品・状態・写真で特定する。付属しない物も書く。
  • 代金は、税込か税別か、送料・梱包費・振込手数料の負担、支払の期日と方法を書く。
  • 支払と引渡しは同時が原則(民法533条)。先払い・後払いなら、特約と、先に動く側を守る仕組みを書く。
  • 引渡しに期限があるときは代金にも同一の期限が付くと推定され(民法573条)、利息は引渡しの日から(575条2項)。

結論:「何を」「いくらで」「どちらが先に動くか」の三つを、日付と数字で書く

売買の食い違いの多くは、品物の特定、代金の表示、支払と引渡しの順番のどれかが曖昧なために起きます。中古品は同じ型番でも一つひとつ状態が違い、代金は送料や手数料の扱いで総額が変わり、支払と引渡しはどちらを先にするかで危険が移ります。この三つを、「あとで第三者が読んでも同じ取引だと分かる」程度まで書いておくのが、このページの目標です。

  • 目的物は、品名・型番・製造番号・付属品・状態(傷や不具合)・写真で特定する。「中古のカメラ」だけでは、どの個体を売ったのかが決まらない。
  • 代金は、金額に加えて、税込か税別か、送料・梱包費・振込手数料・手数料を誰が負担するか、いつまでにどの方法で払うかを書く。金額だけでは総額が決まらない。
  • 支払と引渡しは、同時にするのが民法の原則である(民法533条の同時履行の抗弁)。先払い・後払いにするなら、その特約と、先に動いた側が守られる仕組み(受領の確認、入金の確認)を書く。
  • 引渡しの期限を決めたときは、代金の支払にも同じ期限が付いたものと推定される(民法573条)。期限を別々にしたいなら、そう書く。

契約書全体の組み立ては個人間売買の契約書の全体像で整理しています。このページはその「目的物」「代金」「引渡し」の三項目を深く掘り下げるもので、品物の不具合があったときの責任は中古品の売買と契約不適合責任に、配送中の事故は引渡し・配送・受取りの契約書に回します。

目的物の特定:一点物と、同じ物が複数ある場合の違い

売買の目的物には、大きく二つの種類があります。一つは、その個体そのものを売る約束で、「この楽器」「この時計」のように目の前の一点を指すものです。もう一つは、種類と数量だけで決める約束で、「この型番の新品を一台」のように、同じ物のうちどれを渡してもよいものです。

この違いは、売主の義務に関わります。一点物の引渡しを約束した売主は、引渡しまでの間、その物を善良な管理者の注意をもって保存しなければなりません(民法400条)。引渡しの前に傷をつけたり、他の人に貸したりしてはいけない、という意味です。種類だけで決めた場合は、品質を決めることができないときに、中等の品質の物を渡すことになり(民法401条1項)、売主が物の給付に必要な行為を完了するか、買主の同意を得て渡す物を指定すれば、その物が目的物になります(同条2項)。

中古品の個人間売買の多くは、一点物の売買です。同じ型番でも、使用の程度、傷、バッテリーの劣化、付属品の欠けなどが一つひとつ違うので、買主が見て選んだ個体が、そのまま契約の内容になります。この考え方は次の見出しの「状態の記録」にもつながります。

目的物の特定に使う情報と、書く場所

情報書く内容の例理由
品名・型番メーカー名、商品名、型番、色、容量などの仕様同じ名前でも仕様違いの別の品物と取り違えないため。
製造番号・シリアル本体に刻印されたシリアルナンバー、保証書の番号個体を特定する決め手になる。盗品や偽物の確認にもつながる。
付属品箱、説明書、保証書、充電器、ケーブル、替えの部品など。「ある」「ない」を項目ごとに書く付属品込みの値段かどうかで、「足りない」という食い違いが起きやすい。
状態傷、汚れ、へこみ、動作の不具合、使用の頻度や年数、修理歴契約の内容に何が含まれているかを決める材料。不具合を知らせたかどうかの証拠になる。
写真全体、傷の部分、シリアル、付属品が写った写真。撮影の日付が分かる形で言葉で書きにくい傷や汚れを共有できる。引渡し時の状態の裏づけにもなる。

条項の例目的物の特定の書き方

  1. 本件物品は、次のとおりとする。品名:○○、型番:○○、製造番号:○○。
  2. 付属品は、箱、取扱説明書、保証書、充電器とし、これ以外の付属品は含まない。
  3. 本件物品の状態は、別紙の写真及び状態の記録のとおりとする。別紙に記載のない傷、汚れ、不具合は、乙が本契約の締結前に知らされていなかったものとして取り扱う。

最後の文は、記載のない不具合の扱いを決めるための一般的な書き方の例。売主と買主のどちらに有利になるかは、書き方で変わる。

この例の最後の文は、実際の取引で争点になりやすい部分です。「別紙に書いていない傷」は、売主が知っていたのに書かなかったのか、売主も知らなかったのかで、後の責任が変わります。知りながら告げなかった事実については、責任を負わない特約をしても免れることができません(民法572条)。この点は中古品の売買と契約不適合責任のページで詳しく整理します。

状態の記録:写真・動作確認・既知の不具合を、売主の自衛として残す

中古品の売主にとって、状態の記録は「買主のため」だけではなく、「売主自身を守るため」のものです。引き渡した時点でどんな状態だったかを示せなければ、買主から「最初から壊れていた」と言われたときに、反論の手がかりがありません。反対に、買主にとっては、売主が把握している不具合を知らされたうえで買った、という記録が残ります。

状態の記録として残しておきたいこと

  • 全体の写真を、複数の角度から。傷や汚れのある部分は近づけて撮る。
  • シリアルナンバーや型番の刻印が見える写真。ただし、個人を特定できる情報は写さない。
  • 動作確認の方法と結果。何を試して、どうなったか(電源が入る、音が出る、正常に作動する、など)を書く。
  • 売主が把握している不具合や、気になる点。「たまに電源が落ちる」といった不安定な症状も書く。
  • 付属品の有無。写っている物と、写っていない物を区別する。
  • 写真を撮った日付と、引き渡す直前に状態を再確認した日付。

状態の記録は、「どこまで書けばよいか」で迷いやすい部分です。目安は、買主が、その品物を買うかどうかを判断するときに重要だと考えそうな事実です。傷の大きさ、音の出方、電池の持ち、使用年数などです。些細に見える点でも、買主にとっては重要な場合があります。迷ったら書く方向で考えます。書いたことで売れなくなるのではなく、書いていないことで後から責任を問われる危険が減ります。

書き方の例(一般的な例) 状態の書き方

傷や汚れ

よくある書き方「中古なので、多少の傷はあります。」
整えた書き方「背面の左下に長さ約2センチの擦り傷があります(写真3枚目)。画面に傷はありません。」

理由「多少」では買主の受け取り方が分かれる。位置・大きさ・写真を書けば、記載のない傷との区別がつく。

動作

よくある書き方「問題なく動きます。」
整えた書き方「○年○月○日に、電源の投入、主要な機能の操作、付属の充電器での充電を確認し、異常はありませんでした。長時間使用した場合の動作は確認していません。」

理由確認したことと、確認していないことを分けて書くと、売主が約束した範囲が明確になる。

付属品

よくある書き方「付属品は一式です。」
整えた書き方「付属品は、箱、取扱説明書、保証書、充電器です。ケーブルは付属しません。」

理由「一式」は人によって範囲が違う。付属しない物も書くと、「足りない」という主張を防げる。

代金の表示:金額、税込か税別か、送料や手数料の負担

代金は、金額を書けば足りるように見えて、実際にはいくつかの付随する取り決めが必要です。特に、個人間の取引では、金額の書き方が曖昧なまま話が進み、支払の段階で食い違いが出ることがあります。

  • 金額は、数字と漢数字のどちらでも構いませんが、「税込」か「税別」かを必ず書く。受け取る総額が分かる書き方にする。
  • 送料は、代金に含まれるのか、別に買主が負担するのか。含まれないなら、おおよその額か、実費精算かを書く。
  • 梱包費、保険料、決済手数料も、誰が負担するかを書く。
  • 振込で払う場合の振込手数料は、買主の負担にする旨を書く。書かない場合、弁済の費用は債務者である買主の負担になるのが原則だが(民法485条)、当事者の意思表示で別に決められる。
  • 売買契約に関する費用(契約書の作成費用、書類の費用など)は、民法558条により、当事者双方が等しい割合で負担するのが原則である。別の負担割合にするなら書く。

「代金」と「送料」の関係は、取引の見た目の値段と、実際に動くお金が食い違う典型的な場面です。たとえば、出品の画面では「代金○○円」と書いてあっても、送料が別だと、買主は総額を勘違いしがちです。契約書やメッセージでは、「代金は税込○○円、送料は別に○○円」のように、総額が一目で分かる書き方にします。

支払の方法も書いておきます。銀行振込なら振込先の口座の名義と番号、現金の手渡しなら受け渡しの日時と場所、決済サービスを使うならサービスの名前と手順です。支払った側は、弁済と引換えに受取証書の交付を請求でき(民法486条1項)、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することもできます(同条2項)。代金が高額な取引では、領収書または受領の確認のメッセージを残してもらっておくと、支払の証拠になります。

条項の例代金の支払の条項の書き方

  1. 代金は、金○○円(税込)とする。送料は代金に含まれない。送料は実費とし、乙が負担する。
  2. 乙は、○年○月○日までに、甲の指定する次の口座に代金を振り込む方法で支払う。振込手数料は、乙の負担とする。
  3. 甲は、代金の入金を確認したときは、乙に対し、入金の確認をメッセージで連絡し、乙の請求があれば領収書を交付する。

口座の情報は本文ではなく別紙にまとめる方法もある。○は取引ごとに決める。

支払と引渡しの順番:同時、先払い、後払い

民法533条は、双務契約(互いに債務を負う契約)の当事者の一方が、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができると定めています。これを同時履行の抗弁といいます。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この抗弁は使えません。

売買に当てはめると、売主は、買主が代金の支払を提供するまでは、品物の引渡しを拒むことができます。買主も、売主が品物の引渡しを提供するまでは、代金の支払を拒むことができます。手渡しで、現金と品物をその場で交換するなら、この原則どおりに進みます。

問題は、遠方の相手との取引や、取り置きや分割払いのように、どちらかが先に動かなければならない場面です。この場合は、特約で順番を決めます。三つの型の特徴を次の表に整理します。

支払と引渡しの順番の三つの型

型どう進むか先に動く側の危険書面で補うこと
同時(手渡し)その場で現金と品物を交換する。危険は小さい。代金が偽札でないか、品物が約束どおりかを、その場で確かめられる。受領書に、引渡しの日時と、代金の受領を書く。
買主が先払い(振込後に発送)買主が代金を振り込み、売主が入金を確認してから発送する。買主の危険が大きい。入金後に売主が発送しない、または約束と違う物が届くおそれがある。入金確認後の発送期限、発送の連絡、追跡番号の共有、期限を過ぎたときの返金を書く。
売主が先に引渡し(受取り後に支払)売主が品物を渡し、買主が受け取ってから代金を払う。売主の危険が大きい。品物を渡したのに代金が入らないおそれがある。支払の期日、遅れたときの扱い、支払うまで所有権を売主に残すかどうかを書く。

買主が先払いする場合の流れ(一例)

  1. 契約の成立目的物・代金・引渡しの期限を確認し、双方が了承する。
  2. 代金の支払買主が、期日までに指定の口座へ振り込む。
  3. 入金の確認売主が入金を確認し、その旨をメッセージで連絡する。
  4. 発送と通知売主が、期限までに発送し、送り状番号を伝える。
  5. 受取りの確認買主が受け取り、状態を確認して、その結果を連絡する。

先払いにするときは、売主が入金後の発送を約束する条項と、発送が遅れたときの返金の条項を書いておく。

先払いを受ける売主は、入金の確認から発送までの期限を明記し、買主から問い合わせがあったときに答えられる状態にしておくと、信頼につながります。後払いを受ける売主は、完済までの間、品物の所有権を売主に残す方法があります。この所有権留保の考え方は所有権留保の書き方のページで整理します。

支払期限と引渡期限の関係:期限、遅れ、利息

民法573条は、売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定すると定めています。たとえば、「品物は○月○日に渡す」とだけ決めていた場合、代金もその日に払うのが原則、ということです。推定ですから、別の期限を書けば、書いた内容が優先します。

期限を決めたのに守られなかったときの扱いも、あらかじめ考えておきます。確定期限がある債務は、その期限が到来した時から遅滞の責任を負います(民法412条1項)。期限を定めなかった債務は、履行の請求を受けた時から遅滞になります(同条3項)。買主が代金を期日までに払わなければ、売主は、相当の期間を定めて履行を催告し、それでも払われなければ契約を解除できます(民法541条)。ただし、その期間を経過した時の不履行が契約と取引上の社会通念に照らして軽微なときは、解除できません。

金銭の支払が遅れたときの損害賠償の額は、原則として、遅滞した最初の時点の法定利率で決まります(民法419条1項)。約定の利率が法定利率を超えるときは、約定の利率によります。法定利率は年3パーセントを基準に、3年を一期として見直される仕組みです(民法404条)。契約書で遅延損害金の率を決めるときは、この法定利率を出発点にして書きます。事業者が消費者に売る場合は、遅延損害金に上限の制限があります(消費者契約法9条2号)。分割払いの場合は代金を分割で払う売買契約書のページで詳しく扱います。

もう一つ、見落とされがちなのが、代金の利息です。民法575条2項は、買主は引渡しの日から代金の利息を支払う義務を負うと定めています。ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しません。品物を先に受け取って、代金を後で払う売買では、この規定により、期限までは利息は発生しません。ただし、期限を決めずに品物を先に渡した場合は、引渡しの日から利息が発生しうることになります。個人間の売買では意識されませんが、書面で「利息は付けない」と書いておけば、誤解を避けられます。

条項の例引渡しと支払の期限の書き方

  1. 甲は、○年○月○日までに、本件物品を、○○において乙に引き渡す。
  2. 乙は、前項の引渡しと引換えに、代金全額を支払う。
  3. 乙が代金の支払を前項の期日までにしないときは、甲は、相当の期間を定めて支払を催告し、その期間内に支払がないときは、本契約を解除することができる。
  4. 本契約において、代金には、利息を付けない。

「引換え」は同時に行うという意味。先払いや後払いにする場合は、第2項を、その型に合わせて書き換える。

引渡しの場所についても、民法484条1項が、別段の意思表示がないときの基本を定めています。特定物の引渡しは、債権が発生した時にその物があった場所で、金銭の支払は債権者の住所で、それぞれしなければなりません。つまり、何も決めなければ、買主は売主の住所へ代金を持参し、品物は売主の手元にあった場所で受け取る、という形になります。宅配や郵送を使うときは、この原則とは違う扱いになるので、書面で決めておきます。

目的物と代金を書く前に確かめる問い

  1. 問いその品物は、一点物か、同じ物が複数あるうちの一つか。

    理由一点物なら、個体を特定する情報(製造番号・状態・写真)が契約の内容になる。複数あるなら、どの個体を渡すのかを決める必要がある。

  2. 問い付属品は、どこまでが代金に含まれるか。

    理由写っている物と、渡す物が一致しないと「足りない」という食い違いになる。付属しない物も書く。

  3. 問い代金の総額は、送料や手数料を含めていくらか。

    理由見た目の値段と実際に動くお金が違うと、支払の段階で揉める。税込・税別と、各費用の負担者を書く。

  4. 問い支払と引渡しのどちらを先にするか。

    理由先に動く側の危険が大きい。順番を決めたら、先に動く側を守る仕組み(入金確認、発送の期限)を書く。

  5. 問い支払の期日と、守られなかったときの扱いは決めたか。

    理由期日がないと、いつから遅れたことになるのかが決まらず、催告や解除の起点も曖昧になる。

答えられない問いは、書面に書く前に、相手と話し合って決める。

起きがちなこと

目的物と代金で起きがちな場面と、防ぐ書き方

付属品が足りないと言われる

起きがちなこと出品の写真に箱が写っていたため、買主は箱も付くと思っていた。売主は箱は含めないつもりだった。

防ぐ書き方付属品を項目ごとに書き、付属しない物も明記する。

総額が違うと言われる

起きがちなこと代金は商品の価格だけのつもりだったが、買主は送料込みの値段だと思っていた。

防ぐ書き方代金は税込・送料別などの形で総額が分かる書き方にし、送料は金額か実費精算かを書く。

入金したのに発送されない

起きがちなこと買主が先払いしたが、発送の期限が決まっていなかったため、遅れていることを指摘しにくかった。

防ぐ書き方入金後の発送期限、遅れたときの返金を書く。

品物を渡したのに代金が入らない

起きがちなこと売主が先に渡し、買主は「来週払う」と言ったまま、支払日が決まっていなかった。

防ぐ書き方支払の期日、催告の方法、解除の条件を書く。

振込手数料の分が足りない

起きがちなこと代金が満額入金されず、手数料分の不足の扱いで気まずくなった。

防ぐ書き方振込手数料は買主の負担と書く。

受領の確認が残っていない

起きがちなこと品物は引き渡したが、受領の記録がなく、「届いていない」と言われた。

防ぐ書き方引渡しの日時、方法、受領の確認方法を書き、受領のメッセージを残す。

場面は一般的な例であり、特定の取引を指すものではない。

目的物と代金で起きがちなこと

  • 型番だけで品物を特定したつもりが、色や容量の違う別の個体を渡してしまった。
  • 状態を「良好」とだけ書いたため、買主の期待する状態と売主の認識が食い違った。
  • 写真は出品時のものだけで、引渡し時の状態を示す記録がなかった。
  • 代金の額は決めたが、支払の期日を決めず、いつ催告できるのかが曖昧だった。
  • 先払いか後払いかを決めずに話が進み、どちらが先に動くべきかで膠着した。

これらは、決めていなかったことが原因で起きる食い違いです。決めておけば防げるものばかりですが、決めていない場合は、民法の任意規定(民法91条)に従って結論が出ます。支払期日や引渡し場所の原則を知っておくと、書面で何を上書きしたいのかが見えてきます。次は、引き渡された品物に不具合があったときの扱いを、中古品の売買と契約不適合責任で整理します。

よくあるご質問

中古品を売るとき、状態はどこまで書けばよいですか?

買主が購入を判断するときに重要だと考えそうな事実は、書いておくのが安全です。傷の位置と大きさ、動作の確認方法と結果、把握している不具合、付属品の有無、使用年数などです。書いていない不具合を売主が知っていた場合、責任を負わない特約をしても免れません(民法572条)。確認したことと、確認していないことを分けて書くと、売主の約束した範囲が明確になります。

代金に送料や手数料は含まれると考えてよいですか?

何も決めなければ、民法の原則で結論が出ます。弁済の費用は債務者の負担が原則で(民法485条)、売買契約に関する費用は当事者が等しい割合で負担します(民法558条)。ただし、これらは当事者の意思表示で別に決められます。食い違いを防ぐには、代金の額を税込・税別のどちらかで書いたうえで、送料・梱包費・振込手数料を誰が負担するかを、書面かメッセージに書いておきます。

先に代金を振り込んでもらってから発送してもよいですか?

できます。民法は、代金の支払と品物の引渡しを同時にするのを原則としていますが(民法533条)、特約で順番を変えることはできます。先払いを受けるなら、入金を確認してから発送するまでの期限、発送の連絡、遅れたときの返金を書いておくと、買主の不安を減らせます。

代金の支払期限を決めていませんでした。いつから遅れたことになりますか?

引渡しについて期限があるときは、代金の支払にも同一の期限が付いたものと推定されます(民法573条)。期限を定めなかった債務は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負います(民法412条3項)。実際には、支払を求める通知を出し、その日を支払の期限として示す形になります。次の取引では、支払の期日を日付で決めておくと、遅れの基準が明確になります。

品物を先に渡した場合、代金の利息は付きますか?

民法575条2項は、買主は引渡しの日から代金の利息を支払う義務を負うと定めています。ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは利息を支払う必要がありません。利息の有無でもめないよう、書面に「利息は付けない」と書くか、付ける場合は率を書いておきます。

あわせて読みたいページ

本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、品物の状態、当事者が個人か事業者か、やり取りの経過によって結論が変わることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。確認できなかった点は、条文と所管官庁の資料で確認が必要としています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 警察庁 / 国民生活センター

アトラス行政書士法人|毎日5組限定契約書・利用規約の無料チェックお手元の書類の問題点を、行政書士が詳しく指摘します。1書類につき24時間以内に回答・お1人様3種類まで無料チェックの詳細を見る›

ご依頼の前に:対応の内容

詳しい内容を見る

個人間・中古品・高額品の売買契約書でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

公式LINEで無料相談する
アトラス行政書士法人 公式LINEの友だち追加QRコード
  1. 公式LINEを友だち追加
  2. 「個人間売買・中古品の売買契約書ガイドを見た」とメッセージを送信
  3. ご相談内容を確認し、LINEでご返信します(365日・深夜や休祭日も通常対応)

相談無料です。料金が発生するのは、お申込みいただいた書類の作成・点検だけです。

LINEで友だち追加して無料相談する

申込フォーム・お電話でもご相談いただけます。

ご依頼・納品の流れを見る