このページの要点
- ノークレームは不具合への責任、ノーリターンは気が変わった返品の話。別々に書く。
- 個人間では、責任を負わない特約はできる。ただし、知りながら告げなかった事実などは免れない(民法572条)。
- 事業者が消費者に売る場合、損害賠償責任の全部免除は無効(消費者契約法8条1項)。追完・減額に応じる形に整える。
- 通信販売の返品特約の表示は特定商取引法15条の3の問題で、契約不適合責任とは別に判断される。
結論:「ノークレーム・ノーリターン」は、売る人が個人か事業者かで効力が変わり、二つの言葉は別の話
取引の画面や商品説明に「ノークレーム・ノーリターンでお願いします」と書いてあるのは、よく見る光景です。これを書けば、売主は一切責任を負わず、買主は返品も文句も言えなくなる、と考える人もいます。しかし、法律の目で見ると、この一行が果たす役割は思ったより小さく、売主が誰かによって結論が変わります。このページの結論は次の五つです。
- 「ノークレーム」は不具合への責任(契約不適合責任)を免れる趣旨、「ノーリターン」は返品やキャンセルを断る趣旨で、別の話である。一つの言葉に二つの意味が混ざっていることが、食い違いの原因になる。
- 個人が個人に売る場合は、責任を負わない旨の特約をすること自体はできる。ただし、売主が知りながら告げなかった事実などについては、特約をしても責任を免れない(民法572条)。
- 事業者が消費者に売る場合は、消費者契約法の適用がある。事業者の損害賠償の責任の全部を免除する条項などは無効とされ(同法8条)、消費者の利益を一方的に害する条項も無効になりうる(同法10条)。
- 返品を断る表示は、通信販売では特定商取引法の返品特約の表示の問題になる。ただし、これは「気が変わった」ときの返品の話であり、契約不適合の責任とは別である。
- 表示や説明と実物が食い違っているときは、「ノークレーム」の一言では解決しない。説明した内容が契約の内容になる。
契約不適合責任の仕組みは中古品の売買と契約不適合責任のページで条文に沿って整理しています。このページは、それを前提に、「ノークレーム・ノーリターン」という表示が効くかどうかに絞って整理します。立場別の法令の一覧は売る人・買う人の立場別に見る適用法令にあります。
「ノークレーム」と「ノーリターン」は別の話
まず、二つの言葉を分けて考えます。ふだん一続きに使われますが、法律上は、問題になる場面も、根拠になる条文も違います。
ノークレームとノーリターンの違い
| 言葉 | 一般に指していること | 法律上の主な論点 | 主な条文 |
|---|---|---|---|
| ノークレーム | 品物に不具合があっても、売主に苦情や責任追及をしない。 | 契約不適合責任(追完・減額・賠償・解除)を免れる特約として有効か。売主が個人か事業者かで結論が変わる。 | 民法562条〜564条、572条/消費者契約法8条、10条 |
| ノーリターン | 気が変わった、イメージと違うなどの理由での返品や返金に応じない。 | 民法には買主が自由に返品できる規定がないため、合意があれば返品は断れる。通信販売では特定商取引法の返品特約の表示が問題になる。 | 特定商取引法11条、15条の3 |
| 両方を書く | 不具合があっても、返品や返金を含め、一切応じない。 | 二つの意味を足し合わせても、個々の部分の限界を超えて有効になるわけではない。 | 上の両方 |
表のとおり、「ノーリターン」は、買主の都合による返品を断る趣旨と読むのが自然です。これに対し、買ったものが説明と違った、壊れていたという場合は、買主の都合ではなく、契約の内容に合わない物が引き渡されたという問題なので、「ノーリターン」の一言で当然に処理されるわけではありません。逆に、「ノークレーム」と書いてあっても、返品や返金に応じないと明記していなければ、気が変わった返品を断る根拠としては弱くなります。
書き手が意図していたこととは別に、読み手は、自分に都合のよい意味で読みがちです。売主は「不具合も含めて一切責任を負わない」つもりで書き、買主は「気が変わっただけの返品は断られる」程度に受け取る。この食い違いを防ぐために、書き方を分けることが有効です。
個人が個人に売る場合:特約はできるが、民法572条で免れない部分がある
売主も買主も、事業として取引しているのではない個人どうしの売買では、民法の売買の規定が中心になり、消費者契約法は適用されません。民法の担保責任の規定は、当事者が別の意思を表示すればその意思が優先する任意規定です(民法91条)。そのため、「不具合があっても売主は責任を負わない」という特約を、有効に定めることができます。
ただし、民法572条が限界を定めています。売主は、民法562条1項本文又は565条に規定する場合における担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができません。
個人間売買で「ノークレーム」を書くときの条文
民法91条
任意規定と異なる意思表示
公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。担保責任の規定は、特約で変えられる。
民法572条
担保責任を負わない旨の特約
特約があっても、知りながら告げなかった事実と、自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利の責任は免れない。
民法562条・563条・564条
免責の対象になる責任
追完、代金の減額、損害賠償、解除。特約で、これらのうちどれを排除するのかを明確にする。
「ノークレーム」と一言書くより、どの責任を排除するのかを分けて書くほうが、後の争いが小さい。
個人間の「ノークレーム」の効力を考えるときは、次の三点を確認します。
- 特約が、取引の際に買主に示され、買主が了承していたか。出品の画面に書いてあるだけで、買主が購入前に読める状態だったか。
- 売主が、不具合を知っていたか。知りながら告げなかった事実については、特約があっても免れない。
- 特約の範囲が、不具合の責任に及ぶ書き方だったか。「返品不可」と書いてあるだけでは、不具合の責任まで免れるとは読みにくい。
「売主が個人」といっても、すべての売主が当然に消費者契約法の「事業者」でないとは限りません。個人が継続的に仕入れて売るなど、事業として売買している場合は、事業者にあたり、消費者の買主との売買は消費者契約になる可能性があります。「事業」にあたるかどうかは、反復継続性などの取引の態様から判断されるため、条文と消費者庁の資料で確認が必要です。
事業者が消費者に売る場合:消費者契約法8条と10条
事業者が個人の消費者に売る場合は、民法に加えて消費者契約法が適用されます。この法律は、事業者の責任を免除する条項について、次のような制限をしています。
消費者契約法の免責条項に関する規定
消費者契約法8条1項1号
損害賠償責任の全部免除
事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、またはその責任の有無を事業者が決める条項は無効。
消費者契約法8条1項2号
故意・重過失の一部免除
事業者や使用する者の故意または重大な過失による債務不履行の損害賠償責任の一部を免除する条項は無効。
消費者契約法8条2項
契約不適合の例外
有償契約で目的物が契約の内容に適合しないとき、追完責任または代金減額の責任を負うとされている場合などは、1項の規定は適用しない。
消費者契約法8条3項
軽過失限定の明示
故意・重過失でない場合の損害賠償責任の一部を免除する条項で、重大な過失を除く過失にのみ適用されることを明らかにしていないものは無効。
消費者契約法10条
消費者の利益を一方的に害する条項
任意規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し義務を加重する条項で、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効。
条文の言い換えであり、個別の条項の有効・無効の結論を示すものではない。
これを「ノークレーム・ノーリターン」に当てはめると、次のように整理できます。事業者が消費者に対して、「いかなる不具合があっても一切責任を負いません」と書いた場合、損害賠償の責任の全部を免除する部分は、8条1項1号により無効となります。8条2項は、追完責任や代金減額の責任を負うことにしている場合に限って1項の適用を外す例外ですが、「一切の責任を負わない」と書いた条項は、その例外にあたらないと見られます。追完や代金の減額、解除といった権利を排除する部分は、8条の条文上の対象ではありませんが、10条の問題になりうると考えられます。
では、事業者が消費者に売るときの「ノークレーム」は全く意味がないのかというと、そうではありません。たとえば、追完(修理や交換)または代金の減額には応じる、そのうえで損害賠償は制限する、という形で整えた条項は、8条2項の例外の趣旨に沿っています。さらに、制限の対象を軽い過失による場合に限り、故意・重過失の場合は除くと明らかにすれば、8条3項の要件も満たします。
書き方の例(一般的な例) 事業者が消費者に売る場合の免責条項の書き方
全部免責
理由全部免責の部分は無効となりうる。追完・減額に応じる形にすれば、8条2項の趣旨に沿い、買主にも分かりやすい。
損害賠償の制限
理由故意・重過失を除くと明記して、一部免除にとどめる。軽過失に限る形は、8条3項の要件にも沿う。
なお、消費者契約法の「事業者」は、法人その他の団体だけでなく、事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人も含みます(同法2条2項)。つまり、屋号のある個人店でも、継続して中古品を販売していれば、事業者にあたります。個人の名義で出品しているという事情だけでは、判断は変わりません。
返品を断る表示:民法の考え方と、通信販売の表示
「ノーリターン」の部分を、返品を断る趣旨として読んだとき、民法の考え方は次のようになります。売買契約が成立した後に、買主が気が変わったという理由だけで契約を一方的になかったことにする権利は、民法には用意されていません。買主が契約を解除できるのは、売主の債務不履行(契約不適合を含む)があるときなどです。したがって、個人間の売買で「気が変わった返品には応じない」と決めておくことは、当然のことを書面で確認する意味合いになります。
通信販売で事業者が消費者に売る場合は、状況が変わります。特定商取引法15条の3第1項は、通信販売をする場合の商品の販売条件について広告をした販売業者に、その商品の売買契約の申込みをした者や購入者に対して、商品の引渡しを受けた日から起算して8日を経過するまでの間は、申込みの撤回又は契約の解除ができるようにする義務を課しています。ただし、販売業者が申込みの撤回等についての特約を広告に表示していた場合は、この限りではありません。電子消費者契約に該当する場合などは、広告に表示するだけでなく、主務省令が定める方法で表示することが必要です。
通信販売で事業者が返品の扱いを決めるときの流れ
- 広告に返品の条件を表示する返品を認めるか、認めないか、認める場合の条件と送料の負担を、広告に表示する(特定商取引法11条5号)。
- 特約を表示しなければ商品の引渡しを受けた日から8日を経過するまでは、購入者は申込みの撤回等ができる(同法15条の3第1項)。
- 返品特約を表示すれば特約の内容に従う。ただし、特約の表示は、定められた方法で、見やすい形で行う必要がある。
- 契約不適合は別返品特約は、買主の都合による返品の話。契約の内容に適合しない物が届いたときの責任は、別に判断される。
返品特約を表示した場合でも、表示のしかたが不十分だと特約として扱われないことがある。表示の方法は条文と消費者庁の資料で確認が必要。
ここで押さえたいのは、特定商取引法の返品特約の表示が、事業者の通信販売に関する規定である点です。たまたま不用品を出品する個人は、通常、この規定の対象となる販売業者にあたりません。一方、継続的に商品を販売している事業者が、画面に「ノーリターン」と書いただけでは、特約の表示として十分かどうかが問題になりえます。返品を認めない場合は、その旨を、購入者が見落とさない形で、広告に表示する必要があります。
また、返品特約と契約不適合責任の関係にも注意が必要です。返品特約は、「購入者の都合による返品」を想定した規定です。商品に不具合があったり、説明と違ったりするという問題は、別に、契約不適合責任の規定で判断されると整理するのが一般的です。事業者が消費者に売る場合に、この二つを一つの文言で免責しようとしても、前の見出しで見たとおり、無効になる部分が出てきます。
表示や説明と実物が食い違っているとき
「ノークレーム」の効力が議論になるのは、多くの場合、売主の説明と実物が食い違っていたときです。たとえば、「動作確認済み」と書いて売ったのに、電源が入らなかった。「未使用に近い」と書いたのに、使用の跡が多かった。こうした場合、売主の説明は、契約の内容を決める事情の一つになります。
説明した内容が契約の内容になるなら、その内容に反する物を引き渡したことは、契約不適合にあたります。「ノークレーム」の特約があっても、売主が説明の内容と実物が違うことを知りながら黙っていた場合は、民法572条により責任を免れません。さらに、買主が説明を信じて買った場合、次のような規定も関係しえます。
- 錯誤(民法95条):意思表示の基礎とした事情についての認識が真実に反する場合、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときは、取り消せる。重要な錯誤であることが必要で、表意者に重大な過失があるときは原則として取り消せない。
- 詐欺(民法96条):売主が欺いたことによる意思表示は、取り消すことができる。売主が不具合を知りながら、あえて偽りを述べた場合などが考えられる。
- 消費者契約法4条:事業者が消費者契約の締結について勧誘するに際し、重要事項について事実と異なることを告げたときなどに、消費者が申込みや承諾を取り消せる。事業者と消費者の取引に限る。
これらは、ノークレームの特約とは別の入り口から、買主が契約の拘束を離れる道です。取り消された契約は、初めから無効であったものとみなされ(民法121条)、当事者は、受け取った物や代金を返す原状回復の義務を負います(民法121条の2第1項)。ただし、錯誤や詐欺にあたるかどうかは、事実関係の評価によるところが大きく、画面の説明が少し大げさだったという程度では、直ちに該当するとは言えません。
売主の側から見ると、説明の食い違いを防ぐ方法は、二つしかありません。説明を控えめにして、確かめた内容だけを書くこと。そして、確かめた内容を、日付と方法とともに記録に残すことです。「新品同様」「ほぼ未使用」のような、買主の受け取り方に幅がある言葉は避け、写真と具体的な事実で説明するほうが、後の食い違いを防げます。
売主の書き方と、買主の読み方
「ノークレーム・ノーリターン」を使いたい売主、またはその表示のある取引で買う買主は、次のように整えて考えるとよいでしょう。
売主が表示を書く前の問い
問い自分は個人か、事業として売っているか。
理由事業として売っているなら、消費者契約法の制限があり、全部免責の書き方はできない。
問い不具合の責任を免れたいのか、気が変わった返品を断りたいのか。
理由二つの意味を分けて書かないと、どちらも中途半端な表示になる。
問い知っている不具合は、すべて書いたか。
理由知りながら告げなかった事実は、特約があっても免れない。
問い説明は、確かめた事実だけで書いたか。
理由説明は契約の内容になり、実物と違えば、特約より説明が重くなることがある。
問い買主が、購入前に表示を読める状態か。
理由購入後に初めて見る表示は、特約として合意されたとは言いにくい。
個人間でも、事業者でも、上の五つは共通して確認する。
書き方の例(一般的な例) 個人が個人に売る場合の表示の書き方
責任の範囲
理由責任の範囲と、返品を断る範囲を分けて書く。572条を踏まえた書き方にすると、特約の有効性を巡る争いが小さい。
買主の側は、「ノークレーム」の表示があるからといって、ただちに泣き寝入りする必要はありません。売主が事業者かどうか、売主が不具合を知っていたか、説明と実物がどう違うか、といった点で、買主の権利が残る場合があります。ただし、取引の場を提供するサービスには、サービス独自の規約があり、そちらに沿った手続を求められることもあります。表示の効力と、サービスの規約は別に確認します。
起きがちなこと
「ノークレーム・ノーリターン」で起きがちな場面
買った後に動かないと分かる
起きがちなこと買主が苦情を言うと、売主は「ノークレームと書いた」と主張した。
防ぐ書き方個人間でも、売主が知りながら告げなかった事実は免れない。動作確認の内容と日付を書き、知っている不具合は書く。
継続して売っている売主が全部免責を書く
起きがちなこと事業者の売主が、画面に「一切責任を負いません」と書いたが、買主は消費者だった。
防ぐ書き方追完・減額に応じる形に改め、損害賠償の制限は故意・重過失を除く形にする。
返品を断ったら、不具合の主張も断ったと思われる
起きがちなこと売主は「気が変わった返品」を断る趣旨だったが、買主は不具合の主張まで封じられたと受け取った。
防ぐ書き方ノークレームとノーリターンを分けて書く。
説明と実物が違う
起きがちなこと「ほぼ未使用」と書いたが、使用の跡が目立った。
防ぐ書き方説明は、確かめた事実と写真で具体的に書く。幅のある表現は避ける。
購入後に見た表示
起きがちなこと画面の下のほうに小さく書かれていた免責の表示を、買主は読んでいなかった。
防ぐ書き方購入前に見える位置に、はっきり書く。
場面は一般的な例であり、特定の取引を指すものではない。
「ノークレーム・ノーリターン」で起きがちなこと
- 一言書けば全部免責されると思い込み、知っている不具合を伝えないまま売ってしまう。
- 事業として売っているのに、個人間の取引と同じ感覚で全部免責の表示をしてしまう。
- 不具合の責任と、気が変わった返品を、一つの表示で済ませてしまう。
- 説明を大きく書きすぎて、実物との食い違いが争いの中心になる。
- 買主が、表示を読まないまま購入し、後から効力を争う。
表示の効力が争われる場面では、結局、売主が何を知っていたか、何を説明したか、買主が何を了承したかという、個別の事実が重要になります。契約書面を残すことは、この三つを示す最も確かな方法です。高額品の取引で偽物や盗品が問題になる場面は高額品の個人売買のページで、実際にトラブルになった後の確認の手順は売買でトラブルになったときのページで整理します。
よくあるご質問
「ノークレーム・ノーリターン」と書けば、売主は責任を負わなくてよいのですか?
個人が個人に売る場合は、責任を負わない旨の特約をすることができます。ただし、売主が知りながら告げなかった事実などについては、特約をしても責任を免れません(民法572条)。事業者が消費者に売る場合は、消費者契約法8条により、損害賠償の責任の全部を免除する条項などが無効とされることがあります。また、「ノークレーム」(不具合への責任)と「ノーリターン」(返品の可否)は別の話です。
ノークレームとノーリターンは、どう違いますか?
ノークレームは、品物に不具合があっても売主に責任を追及しない、という趣旨で、民法の契約不適合責任(562条〜564条)や、消費者契約法8条・10条が問題になります。ノーリターンは、買主の都合による返品や返金に応じない、という趣旨で、通信販売では特定商取引法の返品特約の表示(15条の3)が問題になります。書くときは、二つを分けて書くほうが、食い違いが起きません。
個人で出品している人は、事業者になりますか?
事業として、または事業のために契約の当事者となる場合の個人は、消費者契約法の「事業者」にあたります(同法2条2項)。たまたま不用品を売るだけなら通常は事業者にあたりませんが、継続的に仕入れて売っているなどの場合は、事業者と評価される可能性があります。判断は取引の態様によるため、条文と消費者庁の資料で確認が必要です。
「返品不可」と書いてあっても、不具合があれば返品できますか?
「返品不可」の表示は、買主の都合による返品を断る趣旨と読むのが一般的です。商品が契約の内容に適合しないときの追完、代金の減額、損害賠償、解除の権利は、民法562条〜564条に基づく別の話です。ただし、個人間では、責任を負わない旨の特約が有効なことがあり、その場合も、売主が知りながら告げなかった事実は免れません(民法572条)。
商品説明と実物が違っていたとき、「ノークレーム」の表示は意味を持ちますか?
売主が説明した内容は、契約の内容を決める事情になります。説明と実物が違えば、契約不適合にあたる可能性があり、売主が違いを知りながら告げなかった場合は、特約があっても責任を免れません(民法572条)。そのほか、錯誤(民法95条)や詐欺(民法96条)による取消し、事業者が消費者に売る場合の消費者契約法4条による取消しが問題になる場合もあります。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、品物の状態、当事者が個人か事業者か、やり取りの経過によって結論が変わることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。確認できなかった点は、条文と所管官庁の資料で確認が必要としています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 警察庁 / 国民生活センター